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治療と予後:
 長期にわたる血液透析で診断がついているわけですから、血中カルシウム値の低下、副甲状腺ホルモンの高値、画像診断により副甲状腺の腫大の程度、骨病変の程度などを確認し、カルシウム剤や活性型ビタミンD製剤などの内服(パルス療法)で、低カルシウム血症の改善をはかれない方には副甲状腺手術を行います。
副甲状腺手術は4個の腫大した副甲状腺をすべて摘出し、そのうちの約60mgを首や腕に移植します。
手術は全身麻酔で行われ、約1週間の入院ですみます。ご家族の付き添いは不要です。手術翌日から歩行、食事などができ、ほぼ、普通の日常生活に戻ります。また、退院の翌日からは全く普通の生活(仕事)ができます。
手術後、一時的に血中カルシウムが低下することがあり、その時には口唇、手指がしびれたり、こわばったりしますが、カルシウム剤を内服すれば症状は消失し、心配することはありません。手術の前にあったいろいろな不愉快な症状もほとんど消失する傾向にあります。外来へ受診されることも余りなく、手術のことを忘れてしまうほどです。
ただ、治療が遅れると、骨病変、心血管病変、神経、筋、精神病変が進行し、重篤な状態になることがありますので十分にご注意ください。


さて、皆様が関心をもたれている手術の方法についてご説明いたします。
現在普通に行われている手術は、首の傷が数cm以上となり,手術後の痛みや不快な症状も多くみられます。また、お家に帰られた後も、首の皮膚が「ちくちくする」、「さわった感じが分からない」、「物を食べるときに首の皮膚がひきつれる」、などという不愉快な症状を長期にわたり訴えられる方がおられます。