初期臨床研修医希望の方へ
臨床研修の目指すもの

当センターの研修プログラムへようこそ

卒後臨床研修が必修となって18年が経過し、初期の世代は臨床経験を蓄積し現在医療の中核を担っています。医師の資格を取得して最初の2年間をどう過ごすかは極めて重要であり、一定のレベルの臨床研修を受けられるよう、指導体制や施設要件には国としての基準が設けられています。3年目以降にいずれの専門に進むとしても社会から要請される一定の水準の医療を担うことができるよう、社会の中でよく遭遇する頻度の高い疾患や病態に対して適切な対応や処置ができる力を研修期間中に身に付けねばなりません。そしてプライマリーケアを中心とする全人的医療の基本的能力を確立することは、まさに当センターにおける臨床研修が目指しているものです。

当センターの臨床研修は「医療をもって社会に貢献できる医師の育成」を目的に掲げています。そして行動目標として「医師として不可欠な基本的姿勢、態度を学び、生涯かけて目指すべき医師像を構築し、全人的医療を実現できる基本的診療能力(態度、技能、知識)を体得する。」と定めています。大事な初期研修の期間中に生涯の目標となる医師像を構築するのに有効かつ最適なのは、研修医が接する指導医が、目標となる医師像を体現していることだと考えています。

当センターの診療において特筆される長所は、各科あるいは専門グループ間の垣根が低く横の連携が常に保たれていることであり、これは研修医にとって確実にプラスに働きます。自分の所属する科の範囲を超える病態や疾患についても気兼ねなく専門医師に相談し指導を受けることができます。様々な異常を併せもつ患者に対しては、広い視野の下で全人的医療を実践できなくてはなりませんので、当センターは恵まれた環境といえます。そして当センターは県下随一の救急医療を行っており、救急医療や総合診療を身に付けるのに役立ちます。大学病院でありながらも地域医療の砦として地域に密着しており、研修に最適な環境です。もう一つ、当センターの研修プログラムの長所といえるのは自由度の高さであり、2年目には10ヶ月の自由選択期間を設けています。この期間中には、自分が将来進路とする科を先取りして集中的に研修したり、一度経験しておきたい分野を研修したりできます。ぜひ、多くの新人医師に当センターの臨床研修を体験していただき、必ずや将来「医療をもって社会に貢献できる」優れた医師となってわが国の医療を牽引していただきたいと期待しています。

2022年6月 教育研修委員会 委員長 山口 正雄

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