インターネットって何?

Internetとは読んで字のごとく「Net(network)」と「Net(network)」の間(inter-)を結ぶものと言った意味です.

 インターネット(Internet)とは、コンピューター同志が全世界的規模で接続されたネットワーク網全体のことで、どの機械が、どの回線がインターネットであると言った類のものではありません.複数のコンピューターが接続され、情報を交換する物理的環境をLAN、あるいは WANと呼びますが、インターネットは多くのLANが相互に網の目状につながった巨大なWANだと言えます.
 従来のLANやWANとインターネットが異なる重要な点が2つあります.
その1つは、インターネットでは接続された全てのコンピューターが相互に共通のプロトコール(TCP/IP)で情報のやり取りをしている点でです.プロトコール(Protocol)とはコンピューター同志の共通言語のようなものです.したがって、共通の言語さえ通じればコンピューターの機種やOSにかかわらずインターネットに加わることができる.
もう一つの重要な点は、ネットワーク網のどこにいても情報を発信し、また情報を受け取ることができる点です.これを分散型ネットワークと言い、インターネットの情報網はまさに網の目のように張り巡らされているので、ネットワークの何処かが壊れても生き残った別の経路を通って目的としたコンピューターに情報を送ることができるのです.この優れた有用性を示す例としては、昨年(1995年)の阪神大震災の時、生き残ったコンピューターがインターネットを通して重要な情報発信基地となったことが記憶に新しいと思います.

 インターネットの構想が誕生して早四半世紀が過ぎようとしていますが、社会的に多きな脚光を浴びてきたのはこの1〜2年のことです.今やインターネットに関する記事の載っていない雑誌はないほどまでに世の話題になり、これを当て込んでの商戦が激化しています.何故インターネットがこれほどまでに脚光を浴びているのでしょうか.それは情報伝達手段としてのインターネットの普及が「第2次産業革命」と言えるほどの変化を社会にもたらす可能性を秘めているからです.19世紀、内燃機関の発明で始まった「産業革命」にも匹敵する新しい時代の到来と言えるかも知れません.交通機関の発達は時間的距離を格段に縮めましたが、インターネットは「情報」の伝達と言う点で物理的空間を超越したと行っても過言ではないでしょう.時間を争う急性疾患を扱い、多岐な分野にまたがる知識を要求される救急医学の領域こそ、この「情報革命」の恩恵を最も必要としている領域ではないでしょうか.


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帝京大学救命救急センター
Trauma and Critical Care Center,
Teikyo University, School of Medicine

鈴木 宏昌 (dangan@ppp.bekkoame.or.jp)
Hiromasa Suzuki, MD


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