原発性副甲状腺機能亢進症その1

 

副甲状腺機能亢進症について

 まず、最初に申し上げることには、原発性副甲状腺機能亢進症はかなり稀な(珍しい)病気です。
しかし、当院の内分泌外科はこの副甲状腺機能亢進症の治療を専門にしており、日本はもとより世界でも指折りの施設であると高く評価されています。この副甲状腺機能亢進症は早い時期にきちんとした医療を受ければその後まったく普通の人と同じ生活ができ、病気のことを忘れて、日常生活を送ることができます。しかし、残念なことに日本ではこの副甲状腺疾患を専門にしている施設が少ないのが現状です。そのため、早く治療すれば完全に治る患者様も見逃されているのが現状です。私達は、内科、泌尿器科、整形外科などで診断された副甲状腺機能亢進症の患者様については世界屈指の医療をもって対応しております 。
 なお、病気に対するやや学問的な内容につきましては、「医師向け情報」をご覧ください。


1) 副甲状腺とは

副甲状腺の位置と数
 副甲状腺は甲状腺の後ろにあります。甲状腺は首の気管の前で、いわゆる“のどぼとけ”の下にあります。蝶々のような形をして、大きさは3cm、重さ、16g程度です。正常の甲状腺は軟らかく薄いため、触っても触れません。副甲状腺は甲状腺の後ろに左右g2個ずつ、計4個あり、ウニに似た色をした楕円形で米粒より小さなものです。1個の重さは30mgであり、非常に小さく、かつ甲状腺の後ろにあるため、手術のときには見つけにくいわけです。ですから、副甲状腺外科の専門医の存在感があるわけです。誰でも手術でき、その手術結果が大きく違わない手術では専門医の存在感がなくなるのは誰でもわかると思います。

副甲状腺ホルモンの働き
 副甲状腺は84個のアミノ酸からなる副甲状腺ホルモン(PTH)を産生し、分泌します。このPTHは骨、腎、小腸に作用し、カルシウム濃度を調節します。骨では骨吸収促進など、腎ではカルシウムの再吸収促進など、小腸ではビタミンD3によるカルシウム吸収促進、などが行われます.これらの作用により血中カルシウム濃度は一定に保たれていますが、副甲状腺機能亢進症ではこの機構が壊れてしまうわけです。

 

 

副甲状腺の病気について

その2