どんな病気か / 検査と診断 / 治療その1 / 治療その2

どんな病気か:
 甲状腺の良性腫瘍は甲状腺良性結節、結節性甲状腺腫などともと呼びます。健康診断では、受診者の1-2%に良性腫瘍が発見されます。甲状腺の良性腫瘍は濾胞腺腫(ときに嚢胞合併)、腺腫腺腫様甲状腺腫、機能性結節に分類されます。女性が多くをしめ、年齢では40歳代に多くみられます。腫瘍ができても首に腫瘤を認める以外、症状はないのが普通です。

検査と診断:
 甲状腺に腫瘍ができても、血液中の甲状腺ホルモンが異常値を示したりすることはなく、首に腫瘤があるのが唯一の所見です。この腫瘍が良性か悪性かをみるため最も良い診断方法は、超音波検査穿刺吸引細胞診です。超音波検査は10分程度ででき、痛みはまったくなく、簡便、廉価で放射線の被曝もない非常に便利な検査です。

 


 これで良性か悪性腫瘍かがほぼ分かりますが、確認するためには穿刺吸引細胞診を行います。普段、採血や点滴などに使う細い注射針を腫瘍に刺して腫瘍の細胞を吸引し、それを顕微鏡で見るわけです。針を刺しますが筋肉注射よりは痛くなく、すぐに終わります。また、小さな腫瘍には超音波ガイド下に穿刺吸引細胞診を行います。これだと5mm以下の小さな腫瘍も診断可能です。
 場合によっては、CT検査、MRI検査、シンチグラムなどを行います。