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第24回日本熱傷学会総会・学術集会の
開催にあたって

 

会長: 帝京大学救命救急センター  小林 国男

  第24回日本熱傷学会総会・学術集会を開催するにあたり、会員の皆様にご挨拶を申し上げます。
  重症熱傷は複雑な病態を呈し、長期間にわたって集学的な治療を必要とする特異な疾患であります。重症熱傷患者の急性期の治療成績は、ショックに対する輸液療法、抗菌局所療法剤、積極的栄養管理などの改善進歩により格段に向上して参りました。また近年では、超早期デブリドマンと植皮術の実施ならびにスキンバンクの導入や人工被覆材の改良により、更なる成績向上が期待されております。今回の学術集会では、International Panel Discussion "Early management of severely burned patients; How would you treat these patients ?" を企画いたしました。先端の治療法が現在世界でどのように実施されているかを、実際の症例を題材にした討論から明らかにして頂けるものと期待しています。
  重症熱傷患者の治療は、救命ばかりでなくQOLを視野にいれたものでなくてはならないことは言うまでもありません。「高度変形、組織欠損に対する治療」と題するシンポジウムと、「広範囲熱傷患者の長期予後とQOL」と題するパネルで、いろいろな立場から重症熱傷患者の慢性期の治療が討論されることになっております。また、マルチメディア セッションでも、「熱傷治療におけるリハビリテーション」「広範囲熱傷治療と看護の工夫」の2つのテーマで問題点や工夫の実態が供覧される予定です。コメディカルの方々の協力が大切な領域でもあり、医療現場で熱傷患者のケアに携わる多くの方々が討議に参加されることを期待します。
  熱傷は生体が受ける最も大きい侵襲の一つであり、病態は複雑です。これらの病態の解明に向けていろいろな研究が精力的に行われておりますが、それらの基礎的研究の成果を発表していただくフォーラムセッションを設けました。難しい研究内容をわかりやすく発表して頂き、コメンテーターを交えて討論して頂くため1題に20分をとっております。一般演題も十分な時間をとり、全てシンポジウム形式で行います。皆様方の活発なご討議をお願い申し上げます。
  招待講演は、英国、米国、中国からお招きした3人の先生方にお願いし、教育講演を3題企画いたしました。また、会長講演は、「熱傷と栄養 − 21世紀への展望 −」と題して行います。

  今回の学術集会には会員の皆様から99題のご応募を頂きました。この紙面をお借りして、厚く御礼申し上げます。
  会場のリーガロイヤル ホテル 早稲田は、早稲田大学の大隈庭園に隣接する閑静な場所にあります。JR山手線の高田馬場駅からバスあるいはタクシーとなりますので会員の皆様に少しご不便をお掛けするかも知れませんが、学会場の落ち着いた雰囲気はきっと皆様にご満足して頂けるものと存じます。

  多数の皆様のご参加を、心よりお待ち申し上げます。


帝京大学救命救急センター
Trauma and Critical Care Center,
Teikyo University, School of Medicine
鈴木 宏昌 (dangan@med.teikyo-u.ac.jp)
Hiromasa Suzuki, MD
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