アジア太平洋ヘルニア学会(APHS)
 アジア太平洋ヘルニア学会(Asia-Pacific Hernia Society)は2004年から設立準備がなされ、2005年から実質的な活動が開始されました。日本からは本会の冲永、山川両先生がfounding memberとして会の設立時から活動をされています。

第8回APHS学会のお知らせ
 2012年の第8回APHS学会は、10月11-13日に日本人にもおなじみのリゾート地であるフィリピンのセブ島で開催されます。多分今度は日本とか韓国とかから大勢参加するでしょう。詳しくはhttp://www.philippineherniasociety.comをご覧ください。

第7回APHS学会の報告
 2011年の第7回APHS学会は、11月にタイで開催の予定でしたが、例の洪水のあおりを受けて2ヶ月延期され、2012年の1月11-13日、タイのホアヒンで開催されました。延期の決定が開催予定の数日前になり(ホアヒンそのものは浸水圏からは遥か遠くにあるのですが、ギリギリになってバンコクからホアヒンに向かう高速道路が危なくなったのだそうです)、主催のTHSの方は大変苦労されたようです。参加する我々も航空券の手配などはやり直しになってしまいましたが、学会参加費とホテルの予約はTHS事務局の方がそのまま移行してくれましたので、とくに追加手続きをすることなく参加できました。
 ホアヒンはバンコクから車で(かなりぶっ飛ばして)2時間半のリゾート地で、国王の別荘があることで有名ですが、町並みや海岸の様子は正直なところ「南国のリゾート」という雰囲気ではありません。私の印象としては(ロケーションといい雰囲気といい)神奈川県は葉山の御用邸の近くという感じです。海岸でくつろいでいるのは白人ばかりで、町中でただの一度も日本語を見かけませんでした。学会会場のDusit Thani Hotelは老舗の超高級ホテルで、(学会なんかじゃなくて)長期滞在でのーんびりするには最高の雰囲気でした。
 さて、肝心の学会の方ですが、延期の影響でしょうか、演題のキャンセルが多く、日本からの参加も私を含めて4人だけといささか寂しかったことは否定できません。その一方でヨーロッパからの参加は多く、多くの演題でEHS分類、EHSガイドラインが引用されており、JHSとしてもうかうかしていられないなという感を強めて参りました。ヨーロッパで実用化されている半溶解性のポリソフト型メッシュなども紹介されていましたが、まだアジアの支社にはサンプルは届いていないとのこと、現物を早く見てみたいものです。日本人が少なかったこともあってか、各国の参加者との(あまり学術的ではない)雑談なども楽しんで参りました。

第6回APHS学会の報告
 2010年の第6回APHS学会は、去る10月14-16日に韓国ソウルで開催されました。(他国の方には失礼ですが)さすが韓国KHSで、開催準備段階からJHSへの連絡もなされ、演題の応募やregistrationなどの手続きもきわめてスムーズだったという印象です。それもあってか、日本からの演題発表数は2桁に達し、JHSの国際活動も活発になってきたかなという感を深くしました。
 いつもながら、西アジアやヨーロッパなどからの参加も多く、日本とは違ったポイントでの議論も目につきました。たとえば、日本で主流になっている腹膜前腔挿入型メッシュについては(腹腔鏡手術を除けば)議論は少なく、むしろ、Lichtensteinで用いるSelf-gripping meshが話題になるなどです。
 晴天とこの時期のソウルとしては温暖な天気に恵まれ、皆様、学会のみならず、ソウルの街も楽しまれたようです。

第4回APHS学会の報告
 20081031日から113日まで、第4回アジア太平洋ヘルニア学会(APHS、兼第5回中国ヘルニア学会)が北京で開催されました。北京オリンピック終了までは事務局との連絡がなかなか取れないなど、正直言って昨年のシンガポールより手際が悪いなと感じていたのですが、オリンピック終了後は連絡も密に取れるようになり安心して北京に行ってまいりました。
 北京の地下鉄は非常に便利で清潔でしたが、さすがに北京は大きいです。学会会場(「鳥の巣」からは歩いて5分でした)までのアクセスが少々大変でしたが、会場の設営や事務はスムーズだったように思われました。私自身の演題のときも、時間に特別な配慮をしてもらえました。中国ヘルニア学会も兼ねていたため、中国人医師の参加が多かったのは勿論ですが、欧州から多数の専門家が参加されていたのは驚きです(懇親会で私の隣にいたのはポーランドから参加された御夫妻でした)。日本からの参加が少なかったのが残念です。
 演題としては、再発率などを論じたものは比較的少なく、術後疼痛の問題、腹腔鏡ヘルニア手術の技法、新型メッシュの話題などが目につきました(正直、私も全部見た訳じゃぜんぜんありませんけど)。
 
 APHSの本部ホームページ:www.aphernia.com



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