部門・担当医紹介
放射線部

一般撮影部門では、胸部および腹部撮影や骨折の診断等を行う骨撮影をはじめとする単純X線撮影、パノラマ撮影等の歯科撮影、乳房撮影、胃、大腸等の消化管造影、腎盂尿管造影(IP)、子宮卵管造影(HSG)等の各種造影検査が行われます。乳がんの診断に欠くことのできない乳房撮影検査では、通常の乳房撮影のほかにトモシンセシスと呼ばれる断層撮影を導入し、がんの発見率のより高い画像を提供しています。

血管撮影部門では、カテ-テル(細い医療用の管)を目的の血管の入口まで挿入し、ヨード造影剤を注入して血管の病気を精密検査する「カテ-テル検査」や出血に対する止血や血管狭窄・閉塞や動脈瘤といった血管の病気の治療をする「カテ-テル治療」を行っています。
カテ-テル治療は、IVR(画像下治療)とも呼ばれ、先に述べた治療だけでなく、腫瘍を栄養している血管から抗がん剤を注入するなど多岐にわたる治療を、医師を中心としたチーム医療で行っています。

X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)とは、X線を利用して人体の断面像を撮像する検査です。当院では64列のマルチスライスCTを2台導入しており、短時間で広範囲な部位を検査する事ができます。血管や病変をより鮮明に描出する造影剤を使用することで、病気の早期発見や性質を診断することが可能です。またコンピュータを用いた特殊な画像処理を行うことで血管の3D画像を作成したり、体内のより細かな情報を得ることが可能です。

MRIとは Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断装置のことで強い磁石と電波を使って体内の状態を検査する方法です。いろいろな角度から体の断面の画像を撮像する事 が出来ます。MRI検査は様々な部位・疾患に対応しております。脳神経領域では脳梗塞や脳出血、また様々な変性疾患を的確に診断する事ができます。また造影剤を使用しないで血管を描出する事も可能です。脊椎領域では椎間板ヘルニアによる脊髄神経の圧迫状態やその他脊髄変性疾患の診断に有用です。泌尿器領域では放射線治療を行うにあたりより確実な計画を立てるためにMRI画像も用いています。当センターはGE社製1.5テスラ装置1台、3テスラ装置1台が稼働しております。

核医学検査とは、放射性同位元素(Radio Isotope)用いた検査のことでRI検査とも呼ばれています。CTやMRIは人体における形態的情報を画像にしているのに対して、RI検査では、血流や代謝などの機能変化を画像にしていることが大きな特徴と言えます。

主な検査として、負荷心筋シンチ、脳血流シンチ、骨シンチ、レノグラム、心筋交感神経シンチ、甲状腺Tc摂取率、副甲状腺シンチ等を施行しておりますが、2017年4月からゾーフィゴを用いた去勢抵抗性前立腺癌の骨転移内用療法が可能となりました。この治療は静脈注射により体内投与された塩化ラジウム223がカルシウム類似体として骨代謝の亢進した骨転移部位に取り込まれ、高エネルギーのα線により腫瘍細胞のDNA二重鎖を切断する治療になります。当院が使用しているガンマカメラはGE社製Optima NM/CT 640で2014年4月に導入されました。本装置は吸収補正用CTが搭載されているのでSPECT画像再構成に必要な吸収補正が行なえます。最大管電流が30mAと少ない線量で撮影するため、被ばく線量を低く抑えながら吸収補正用データを収集しています。

放射線治療部門では、がんの三大療法のひとつである放射線療法を行っています。リニアック(直線加速器)と呼ばれる装置を使い、高エネルギーのX線や電子線を身体の外から照射してがんの治療を行います。1回あたりの治療は15分程度で、これをがんの種類や進行度等によって数回~数十回、毎日継続して行います。また、手術や抗がん剤と組み合わせて放射線の照射を行う場合もあります。放射線療法はがんが発生している部位の形態や機能の温存ができるだけでなく全身的な影響も少ないため、高齢者や合併症のある方、通院治療を希望される方にも適用できる“人にやさしい”治療法と言えます。

当センターでは、患者さんの容態に合う最適な治療を受けていただけるようがんの根治を目的とする高精度放射線治療から、転移による痛み等の症状緩和の治療まで幅広く行っています。また、放射線治療にも近年品質管理の概念が導入され、管理の良否が治療効果に大きな影響をもたらすことが明らかにされていることから、放射線治療医、診療放射線技師、医学物理士等が毎週集まり、品質管理活動の報告、各種検証作業の確認、患者さんへの照射状況に関する情報交換を実施しています。さらに、自施設内の検証だけでなく、リニアックの出力線量等については第三者機関による評価も受け、その品質保持にも努めています。

放射線安全管理室
放射線診断や放射線治療等、医療機関では放射線や放射性物質が数多く利用されています。放射線や放射性物質の利用は法律で厳しく規制されていますが、これらを取り扱うためには先ず安全に管理することが必要となります。放射線管理業務は、これまで一部の診療放射線技師がその診療業務と兼務する形で行われて来ましたが、業務の非効率性や法律改正による管理業務の増大等に伴い、近年はその対応が難しい状況になってきました。
2020年4月、新たに病院内で取り扱う放射線や放射性物質並びにそれらに係る安全管理を総括する部門として、専従の職員を配置した放射線安全管理室が設置されました。放射線安全管理室では病院内の放射線関連機器の保守管理等をはじめとし、職員に対する放射線教育や健康管理(個人被ばく線量の管理等)だけでなく、病院を訪れる患者さまやその付添の方々に対する医療被ばくの適正な管理や環境管理等にも力を入れ、いつでも安心して放射線検査や放射線治療を受けることのできる体制づくりに努めています。

放射線部有資格者数

  • 第1種放射線取扱主任者4名
  • 作業環境測定士4名
  • 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師5名
  • 血管撮影・インターベンション専門認定診療放射線技師2名
  • 救急撮影認定技師1名
  • 核医学専門技師2名
  • 放射線治療専門放射線技師4名
  • 放射線治療品質管理士2名
  • 医療情報技師2名
  • 肺がんCT検診認定技師1名
  • 放射線機器管理士1名
  • 放射線管理士2名
  • 臨床実習指導教官1名

放射線部認定施設

  • 検診デジタルマンモグラフィ施設認定
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