教員紹介Members profiles

桑原 恵介(くわはら けいすけ)講師




2021年度
 担当講義
MPH: 基礎疫学、臨床疫学、スタディクリティーク、産業保健学、調査・研究法概論、健康医療情報学、課題研究
DrPH: 基礎疫学特論、臨床疫学特論、産業保健学特論、疫学・生物統計学特殊研究
 研究テーマ 生活習慣(特に身体活動)や働き方、情報と心身の健康

研究フィールド
- 職域多施設研究(J-ECOHスタディ)およびそのサブスタディ
- スリランカにおける青少年を通じた成人の生活習慣への介入研究
- 新型コロナウイルス感染症発生後の中国上海市での子供の健康に関する研究
- 新型コロナウイルス感染症発生後の日本の経済・健康格差に関する研究(JACSIS)など

身体活動に関して、日本人における疾病予防効果を検証したデータが少なかったことから、
筋トレ身体活動の種類や運動強度・量と2型糖尿病予防、
・身体活動の種類とメタボ予防抑うつ症状予防
運動の量・強度と抑うつ症状予防、
等の関係を疫学的手法を用いて検討し、予防に必要な身体活動の種類や量・強度などを分析してきました。

また、インスリンがあまり出ない人が多い日本人では肥満でない人が少し太ることで2型糖尿病発症にいたるパターンが多いことを明らかにし、体重増加を防ぐ手段として、働く世代にとっては、余暇の運動だけでなく、徒歩や自転車、公共交通機関といった体を動かす通勤手段が有用であることを報告しました。

働き方に関して、長時間労働による健康影響を検証し、断面的には長時間残業と糖尿病の関係ははっきりせず、高血圧はむしろ少なくなるものの、 長時間労働に睡眠不足が加わると、その後に糖尿病になりやすいことを明らかにしました。
職場の働き方とその影響を理解するために、残業時間の推移パターンと前糖尿病から糖尿病への進行リスクの関連を検証したり、働き方に関する基礎的研究として、自己申告の残業時間や労働時間の妥当性と信頼性の評価させていただいたりしました。

日本(東アジア)での疾病予防・健康増進に関するエビデンス構築に努めてまいりましたが、まだまだよくわかっていないこと、できていないことは山ほどあることがよくわかりました。

世の中が早く平穏になるよう、微力ながら色々なことに柔軟に挑戦したいと思います。
 プロフィール詳細  http://researchmap.jp/kkuwahara/
 https://scholar.google.co.jp/citations?user=97q0ifIAAAAJ&hl=ja
 連絡先  kkuwahara[at]med.teikyo-u.ac.jp


教員からのメッセージ

社会の中で山積みとなっている命や健康に関わる課題を解決していく上で、個々の問題の深刻さの把握と順位付け、問題を引き起こす原因(と思われる要因)の特定と集団内の分布および影響度合いの評価、解決策の実施・評価などが求められます。そのためのデータ収集の方法論やデータを解釈するための基礎となる考え方について学べるのが疫学です。

 疫学の考え方を身に着けることで、現場で抱える課題や疑問などを倫理的に問題のない方法で科学的・論理的に検証し、先行研究の知見や利害関係者の意見なども踏まえながら得られた結果をしっかり現場にフィードバックすることによって、医療現場の改善や健康な組織、社会づくりなど、それぞれの課題の解決を進めていってほしいと思っています。

 情報が加速度的に累積していく現代社会では、従来の研究手法やデータ分析手法を乗り越える手法やその活用法もどんどん考えられており、世界的な視野に立って最新情報を入手・検討し、活用するスキルが国際競争に打ち勝つために求められています。この専門職大学院ではこうしたスキルも身に着けてほしいと思っています。

 健康・医療が国の成長戦略において重要な位置を占める中で、人々の健康・生命に直結する公衆衛生について新たにあるいは改めて体系的に学んでみませんか?分野を問わず、向上心と情熱を持った方のお越しをお待ちしています。


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