免疫・アレルギー班の紹介

特色

気管支喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患は頻度が高く、近年増加傾向にあり、小児およびその家族のQOLを低下させ、社会的問題となっています。また、アレルギー疾患は合併することが多く、病態において相互に深く関連するとされています。現時点では必ずしも根治ができず、長期にわたって「付き合っていく」病気でもあります。このようなアレルギー疾患の特徴から、「縦」と「横」の総合的診療、すなわち、時間軸の縦の診療(ゆりかごから墓場まで)、および横の診療(疾患・臓器別ではなく全身を横断的に診る)が必要です。このような背景から、最新の知見に基づきアレルギー疾患に対する全人的診療を行うことを主な目的として、2015年に小児科内に小児アレルギーセンターが設立され、日夜に診療にあたっています。小児アレルギーセンターではアレルギー疾患の専門的医療が適切に実践できるエキスパートの育成をおこなっており、また、アレルギー疾患の病態の理解、治療・診断・評価法の開発などのための研究も行っています。また当科は日本アレルギー学会認定施設に指定されています。

対象疾患

  • アレルギー疾患
    ・気管支喘息:難治性喘息の治療(生物学的製剤を含む)、呼吸機能の検査、術前コントロール
    ・アトピー性皮膚炎:重症アトピー性皮膚炎の治療やスキンケア・生活の指導、アトピー性皮膚炎における睡眠・かゆみの評価、薬剤の薬効評価
    ・食物アレルギー:食物アレルギーの負荷試験(経口負荷試験300名/年)、食物アレルギーの特異的経口免疫療法
    ・アレルギー性鼻炎:特異的免疫療法
  • 膠原病・自己炎症性疾患
    ・全身性エリテマトーデス、若年性特発性関節炎、シェーグレン症候群、皮膚筋炎
    ・好酸球性胃腸炎
  • 免疫不全症候群
    ・重症複合型免疫不全症、分類不能型免疫不全症、高IgE症候群

研究内容

  • 小児のアレルギー疾患と睡眠の関連
    ・アクティグラフィーを用いた小児アトピー性皮膚炎患者の睡眠の質および睡眠時掻破運動の評価
  • 運動誘発アナフィラキシーの病態解明
  • 魚類アレルゲンコンポーネント特異的IgEによる魚アレルギー診断法の開発
  • 特異的経口免疫療法の臨床研究

スタッフ

小林茂俊 教授
小山隆之 講師
木村将士 シニアレジデント(2年目)
三重野 孝太郎 非常勤医師

専門外来

アレルギー/免疫外来

その他

東京都城北地区医師会との勉強会を開催しています。

北区、板橋区、豊島区との連携(食物アレルギーマニュアルの作成、指示書の作成、保育士・教師・栄養士の講習会、地域住民への公開講座など)を行っております。