2020.09.25
【体験記:夏休み企画「SAS eラーニング無料30日!みんなで完走しよう!」に参加して】
9月も下旬になりました。朝晩を中心に過ごしやすい気候となり、新型コロナウイルス感染症の対応に皆が悩まされる異例づくしの初めての夏が終わろうとしています。
この夏、帝京SPHでは、統計解析・データマネージメントのための統計パッケージSASの勉強会が行われました。SAS社によるオンライン学習コンテンツの無料提供(※リンク参照)の機会を活用したもので、SASによるデータ解析の習熟を目指す帝京SPHの院生同士のピア・サポート環境を実現することを目的として根本明日香講師により企画されました。
大学に対するSAS学習コンテンツの無料提供は継続されることから、来年以降も同様のとりくみを継続するとのことです。この記事では、企画の概要と16名の参加者のうちの2名の体験記を紹介します。
参加希望者は、根本講師が管理するLINEオープンチャットに参加し、各人が自分のペースでオンライン学習に取り組みながら、進捗やヒントをシェアし、相互に励ましあって取り組みました。講義は、統計学的手法に関するものとデータ取り扱い方法に関するものがあります。
前者は、MPH必修科目である基礎生物統計学と同じ範囲のもの、それよりも易しい内容、さらに進んだ内容のものがあり、参加者は主に復習の目的で利用していました。
後者は、データ分析の基礎となるテクニックであり、データマネージメント、データクリーニングに役に立ちます。
以下は、本記事の著者でもある2名による参加の感想です。
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約半年前まで、統計学とは無縁な生活を送ってきたわたしにとってSASを、統計学を、英語で、e-Learningで学ぶことはちょっとした冒険でした。始めることを躊躇していたわたしの背中を押してくれたのは、根本先生からの「基礎生物統計学」が未消化な方のおさらいによい、という言葉です。いわゆる“統計の講義“であるIntroduction to Statistical Concepts は内容が初心者に優しく、かつ画像が見やすくて、ちょっと感動してしまいました。統計学の授業やSASのプログラミングには、英語が多用されているため、英語で学び直すことは頭の中の整理に役立ちました。わからなくて焦ることもありましたが、根本先生や同級生たちに助けてもらい、どうにか難局を乗りきることができました。データハンドリングのプログラミングの部分までは行き着かずハーフマラソンになってしまいましたが、いい汗かけて、頭の運動になりました。結果、後期も応用生物統計学を受講することを決断し、わたしの冒険は今後も続きます。(重松)
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私はデータハンドリングのためのプログラミングの講義を主に受講しました。ほとんど経験がないため、ゆっくり進めてSAS Programming 1: EssentialsとSAS Programming 2: Data Manipulation Techniquesを終え、研究で使えるテクニックを学ぶことができました。RやPythonなど他の言語の経験がある方は、もっとテンポ良く進められるのではないでしょうか。
SPSSやExcelのようなクリックで操作できるGUI(Graphical User Interface)形式のソフトウェアと比べると、初学者にはとても高い壁を感じるのがコードを記述するCUI(Character User Interface)です。しかし、一度書いてしまえば同じプログラムを修飾して使い回すことができる点、途中で中断しても,どの作業まで終わらせたのかすぐにわかるようにできる点は大きな魅力だと思います。GUIが大きな特徴のExcelも効率化を目指すと結局CUIであるVBAに触れざるを得ない点からも、同じ操作の繰り返しや作業の中断などは圧倒的にCUIの方が便利であろうと今回の勉強会を通じて改めて実感しました。
今回のように、教員によるサポートおよび互助の環境下で学習者グループが各自e-Learningを受講する形式は、なじみのないプログラミングを英語のe-Learning で学ぶという初学者にとってのハードルを下げることができると思いました。パソコンの知識や、プログラミングの経験がある人にとっては基本的かもしれませんが、パソコンのディレクトリやパスを理解して使うことは、自分を含め、慣れていない学生が多くいると思います。なお、初めての英語のe-Learningでしたが、字幕が表示できることや、英語の発音が良くとても聞き取りやすことから、思っていたよりは苦労少なく受講することができました。
手を抜きたがる人ほど、プログラミングは上達する、と聞いたことがあります。私もその域に達することを目標に、今回の参加をきっかけとして、これからもSASプログラミングの習熟に努めていきたいと思います。(響谷)
担当:MPH 1年 重松 亜実、響谷 学
参考:羽田野 佑奈 on SAS Japan, Stay Home and Learn SAS:おうち時間にSASを学習しよう.
https://blogs.sas.com/content/sasjapan/2020/05/01/stay_home_and_learn_sas/