末田敬志朗さん

 末田敬志朗さん

(2023年度入学 MPH2年コース)

1.入学前の職業と、どんなことをしていたか簡単に教えてください

大学病院の総合内科医として勤務していました。主に入院患者では高齢者の治療を担当し、人生の最終段階を迎える患者さんに対し、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)を含め、どのような治療目標を共有するか日々模索していました。また外来では、診断困難で解決し
ない症状を抱えながら日常を過ごしている患者さんの診療も行ってい
ました。

 

2.帝京SPHへ行こうと考えたきっかけはなんでしたか?

同じ総合内科の同僚医師が帝京を含めSPHに進学しており、自分自身の専門と公衆衛生の相性が良いと感じていました。また、一般的な医学研究科の大学院では基礎研究が中心であり、自分の興味とは異なっていました。そのため、臨床研究が体系的に学べるSPHへの進学を検討しました。職場の先輩にも帝京SPHの卒業生がいたため実際の学生生活について話を聞くことができ、安心感がありました。

 

3.帝京SPHで学んでいた期間の職場などでの身分を教えてください

1年目は基本的に休職し、授業がない日に外来業務のみを行っていました。2年目は必要な単位は取得していたため、フルタイムで臨床業務に復帰し、勤務の傍ら課題研究を進めました。

 

4.仕事・家事・子育てなどと学習の両立で工夫していたことがあれば教えてください

1年目の休職期間中、フルタイム勤務を続ける妻をサポートするため、積極的に家事や育児を担当していました。しかし、夫婦共にキャリアを追求しつつ子育ての時間を確保するのは容易ではなかったです。結局、課題は子どもが寝た後に取り組むことが多く、睡眠時間を犠牲にすることも少なくありませんでした。公衆衛生的には推奨できませんが、これが現実的な状況であり、根本的な解決策はまだ見つけられていません。

 

5.帝京SPH修了後の進路について教えてください

修了後は大学病院の総合内科に復職しました。SPHでの学びは自分が臨床現場で抱えていた問題に対し、新たな視点を得るきっかけとなりました。今後はMPHでの研究をさらに深堀りしていくため、提携校であるハーバード公衆衛生大学院への短期留学の機会もいただけました。帝京で得た知識や経験をさらに発展させ、自分の専門分野で実践的に活かしたいと考えています。

 

6.現在の仕事(活動)で帝京SPHでの学びや経験で生きていることはありますか?

個別の患者治療だけでなく、社会全体で病気を予防し健康を守るという公衆衛生の重要性を深く理解しました。患者一人ひとりの課題を自分一人で抱え込むのではなく、地域や周囲とのつながりを活かし支援体制を構築する視点を得ることができました。その視点をもとに行った課題研究は科研費にも採択されました。これらは帝京SPHでの経験なしには得られなかった貴重な成果だと感じています。

 

7.帝京SPHに入学を検討されている方へのメッセージをお願いします

専門職学位課程であり、自身のキャリアを見つめ直す中で帝京SPHのホームページを訪れた方も多いかと思います。実際の学生には、仕事や育児と並行しながらキャリアアップやキャリアチェンジを目指す方が数多くいらっしゃいました。学業との両立は決して容易ではありませんが、それを乗り越えたときに得られるものは計り知れません。教員の先生方は常に学生一人ひとりを丁寧に指導し、熱心にサポートしてくださいます。また、同じ志を持った多様なバックグラウンドの同期と切磋琢磨できる環境は、社会人になってからはなかなか得られない貴重な経験です。自分自身を大きく成長させるために、ぜひ挑戦していただければと思います。

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