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amagasa.shiho.oa[at]teikyo-u.ac.jp
衛生環境が改善され、平均寿命も著しく延びて「人生100年時代」と称されるようになった現代では、健康観も多様化し、単なる長生きでなく、生活の質やウェルビーイングの向上にも重点が置かれています。また、収入、学歴、職業などの社会経済的要因による健康の格差が改めてクローズアップされ、これら格差の縮小が21世紀の公衆衛生における重要な課題となっています。こうした健康の社会的決定要因を踏まえ、人文科学や社会科学など幅広い視点から健康に関する問題にアプローチする新しい学際的な分野も登場しています。また、日々蓄積される膨大な情報やデータから社会的価値を生み出すデータサイエンスなどの自然科学の発展も公衆衛生を支えています。こうして、公衆衛生に必要とされる人材は、保健・医療分野の関係者に留まらず、多様なバックグラウンドを持つに至っています。社会におけるあらゆる人々を対象として誕生した近代的な公衆衛生は、その本質を継承しながらも、社会のあらゆる人々“による”公衆衛生を目指す時代を迎えたといっても過言ではないでしょう。共に学び、より良い社会づくりを目指しましょう。
