診療科・担当医紹介
内科(腎臓)

<腎臓内科の役割>
腎臓という臓器は「縁の下の力持ち」で、その役割は体内の状況を一定に保つことです。具体的には、以下のような仕事をします。
 ①老廃物の排泄:体の中で作られる老廃物を尿の中に捨て、体液を清浄に保ちます。
 ②水分量の調節:尿の量を調節し、体内の水分量を一定に保ちます。
 ③電解質の調節:体液の電解質(ミネラル)濃度を一定の範囲内に保ちます。
腎臓に何らかの異常が生じた場合、①~③の不具合に伴う異常(血中尿毒素レベルの上昇、浮腫、電解質異常など)が出現したり、尿の中に本来出現しない成分―タンパクや赤血球など―が出現したりします。
腎臓内科は、このような腎障害の原因を見つけ出し、適切な手当てを行う診療科です。また生命の維持が難しいほど腎臓の機能が低下した場合に、腎臓の機能を肩変わりする治療である腎代替療法(通常、透析療法と呼ばれます)を行うのも、腎臓内科の役割です。

<腎臓内科の診療対象疾患>
腎臓内科の診療対象疾患を以下に列記します。
 ①尿所見異常を呈する疾患
 ②腎機能低下につながる疾患
 ③すでに生じてしまった腎機能低下
具体的には、急性・慢性糸球体腎炎、嚢胞性腎疾患、高血圧に伴う腎障害(腎硬化症)、高尿酸血症に伴う腎障害、糖尿病に伴う腎障害(糖尿病性腎症)、などが該当します。
腎臓がダメージを受けている原因が何であるのか…について、身体所見、血液検査、尿検査、画像検査、さらに必要な場合には「腎生検」を行って腎臓の組織を直接顕微鏡で確認する、などの様々な手段を駆使して診断し、その診断に基づいた適切な治療を行います。
なお多くの施設では腎組織の観察を光学顕微鏡(光顕)のみで行います(通常染色+蛍光染色ないし免疫染色)が、当施設ではすべての生検検体を電子顕微鏡(電顕)でも観察します。すべての腎生検検体を光顕+電顕で観察し、しかもその結果が2~4週で判明するのは、全国で当施設を含め5指に満たないと思われます。

<透析療法について>
透析療法は大きく「血液透析」と「腹膜透析」にわけられます。
血液透析は、体外にある人工腎臓に血液を導き出して施行する治療法で、通常、週3回(1回3~4時間程度)行われます。当施設では施行に必要なバスキュラーアクセス(いわゆる内シャント)を手術で造設し、最初の数回の治療を院内の中央診療部門である「腎センター」で施行した上で、近隣の透析を専門とする連携施設と協力して治療を継続します。
腹膜透析は、腹腔内臓器や腹壁(内壁)を覆う腹膜を老廃物の除去路として用いる治療法です。治療は自宅や職場で患者さんご自身あるいはご家族の手で行っていただくため、通院は原則として月1回程度で済みます。
本邦では、30万人以上おられる透析患者さんのほとんどが血液透析を選択されており、腹膜透析を行われる方は約1万人です。一方海外に目を向けると、腹膜透析を選択する患者さんの増加率は、血液透析を選択する患者さんの約2倍となっています。当施設ではいずれの治療法も選択可能であり、2020年実績では約8割(120名)が血液透析を、約2割(22名)が腹膜透析を選択しておられます。さらに当施設では、一部の地域(木更津市・袖ヶ浦市など)において、関連施設である望星会木更津クリニックのご協力のもと、完全往診型の腹膜透析(full-assisted PD)も開始しています。
なお当施設では、透析以外の選択肢「腎移植」についても、連携施設(千葉大学医学部附属病院、東京女子医科大学八千代医療センター)との協力によってスムーズな施行が可能です。

内科(腎臓)腎研究室 web site


担当医
寺脇 博之
教授 寺脇 博之
出身大学 岐阜大学 平成3年卒 医学博士
専門分野 腎疾患一般
高尿酸血症
糖尿病性腎症
急性・慢性腎不全
腎代替療法(血液透析・腹膜透析)
酸化ストレス
臨床疫学
専門医等 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・内科指導医
日本腎臓学会専門医・指導医・評議員
日本透析医学会専門医・指導医
日本高血圧学会専門医・指導医
日本腹膜透析医学会認定医・評議員
日本生理学会評議員
日本病態生理学会評議員
准教授 小林 政司
出身大学 東京慈恵会医科大学 平成9年卒 医学博士
専門分野 腎疾患一般
膠原病一般
腎炎一般
血管炎・膠原病関連腎障害
専門医等 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・内科指導医
日本腎臓学会専門医
日本リウマチ学会専門医
助教 伊藤 靖子
出身大学 聖マリアンナ医科大学 平成25年卒
専門分野 腎疾患一般
腹膜透析療法
高齢者医療
専門医等 日本内科学会認定内科医・JMECCアシスタントディレクター
日本救急医学会ICLSアシスタントディレクター
AHA ACLS provider
日本透析医学会専門医
日本腎臓学会専門医
非常勤医師 根本 佳和
出身大学 帝京大学 平成25年卒 医学博士
専門分野 腎疾患一般
バスキュラーアクセストラブル対応
専門医等 日本内科学会認定内科医
日本腎臓学会専門医
助手 本城 保菜美
出身大学 三重大学 平成26年卒
専門分野 腎疾患一般
専門医等 日本内科学会認定内科医
日本腎臓学会専門医
助手 飯島 隆太郎
出身大学 帝京大学 平成27年卒
専門分野 腎疾患一般
腹膜透析療法
インターベンショナルネフロロジー
専門医等 日本内科学会認定内科医
助手 和氣 快斗
出身大学帝京大学 平成27年卒
専門分野 腎疾患一般
血液透析療法
インターベンショナルネフロロジー
専門医等 日本内科学会認定内科医
助手 上田 瞳
出身大学 島根大学 平成29年卒
専門分野 腎疾患一般
バスキュラーアクセス造設およびトラブル対応
専攻医 中川 慶郎
   (外部研修中)
出身大学 帝京大学 平成30年卒
専門分野 腎疾患一般
専攻医 山内 貴喜
出身大学 帝京大学 平成31年卒
専門分野 腎疾患一般
新井 貴士
非常勤医師 新井 貴士
出身大学 帝京大学 昭和62年卒 医学博士
専門分野 腎疾患一般
血液浄化療法
専門医等 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本透析医学会専門医・指導医
日本医師会認定産業医
非常勤医師 守尾 友宏
出身大学 帝京大学 平成7年卒
専門分野 腎疾患一般
血液浄化療法
専門医等 日本透析医学会専門医
非常勤医師 山田 恵子
出身大学 帝京大学 平成11年卒
専門分野 腎疾患一般
血液浄化療法
非常勤医師 髙野 慎
出身大学 東邦大学 平成14年卒 医学博士
専門分野 泌尿器科学
血液浄化療法
専門医等 日本泌尿器科学会専門医
非常勤医師 天野 方一
出身大学 埼玉医科大学 平成22年卒 公衆衛生学修士(MPH)
専門分野 腎疾患一般(特に糸球体腎炎)
臨床疫学
専門医等 日本内科学会認定内科医
日本腎臓学会専門医
日本医師会認定産業医
日本抗加齢医学会専門医
修練医 小野 義明
出身大学 岩手医科大学 平成27年卒 医学博士
専門分野 精神科一般
睡眠医療
専門医等 日本精神神経学会専門医
客員教授 花岡 一成
出身大学 日本医科大学 昭和62年卒 医学博士
専門分野 多発性嚢胞腎
急性・慢性腎不全
専門医等 日本内科学会認定内科医・内科指導医
日本透析医学会専門医・指導医
日本腎臓学会専門医・指導医・評議員
日本高血圧学会指導医
日本遺伝カウンセリング学会評議員
非常勤講師 船越 陽一
出身大学 北海道大学 昭和59年卒 医学博士
専門分野 移植外科
血液透析
バスキュラーアクセストラブル

~2020年度~
診療実績

入院患者数:446人
診療症例数
 腎生検:41件
 シャント手術:117件
 動脈表在化:12件
 腹膜透析カテーテル関連手術:32件
 血液透析導入:119件
 腹膜透析導入:25件

腎センター診療実績
 外来透析件数:1,200件
 入院透析件数:3,958件
 血漿交換療法・血漿吸着療法:19件
 白血球除去療法:21件
 特殊血液浄化:113件
 透析導入患者:119件


教育について
3年生統合講義 4コマ
6年生総合講義 1コマ
BSL学生実習
BSC学生実習
OSCE試験
前期研修医指導


原著論文・症例報告

<2020年度>

  1. Amano H, Yoshimura K, Iijima R, Waki K, Matsumoto K, Ueda H, Ito Y, Akimoto K, Yokoo T, Inoue K, Terawaki H. A slight decrease in serum albumin level is associated with rapid progression of kidney dysfunction even within the normal range. Intern Med, in press (IF: 0.904)
  2. Narita K, Kobayashi H, Suzuki T, Ichikawa D, Yamazaki K, Terawaki H, Suehara Y, Miura D, Takeuchi M, Matsue K. Light Chain Deposition Disease in a Patient With MYD88 L265P Mutation-positive Low-grade B-cell Lymphoma and Monoclonal Immunoglobulin G κ.
    Clin Lymphoma Myeloma Leuk. 2020; S2152-2650: 30304-9. (IF: 2.298)
  3. Morimoto K, Terawaki H, Washida N, Kasai T, Tsujimoto Y, Yuasa H, Ryuzaki M, Ito Y, Tomo M, Nakamoto H and on behalf of Working Group on Revision of Peritoneal Dialysis Guidelines. The impact of intraperitoneal antibiotic administration in patients with peritoneal dialysis-related peritonitis: systematic;review and meta-analysis. . Renal Replacement Therapy 2020; 6: 19.
  4. 藤原 正子, 宍戸 洋, 寺脇 博之. 透析合併症としてのサルコペニアの代謝解明と治療基盤の構築. 日本透析医会雑誌 2020; 35 (1): 218-223.
  5. 飯島 隆太郎, 寺脇 博之. 腹膜透析カテーテル挿入術. 腎と透析 2020; 88巻増刊: p280-285.
  6. 櫻田 勉, 塚田 三佐緒, 井尾 浩章, 寺脇 博之, 竜崎 崇和, 岡田 一義, 土谷 健. PD認定医制度設立の意義とその運営 認定医制度の普及にむけた企業・在宅医療に関連する学会との連携の必要性. 腎と透析 2020; 89巻別冊 腹膜透析2020: p24-25.
  7. 富山 健大, 上田 瞳, 飯島 隆太郎, 和氣 快斗, 伊藤 靖子, 吉村 和修, 寺脇 博之. 腹膜透析患者に対する二重エネルギーX線吸収法および生体インピーダンス法による体組成評価の比較 体組成分析装置BCMを用いた予備的検討. 腎と透析 2020; 89巻別冊 腹膜透析2020: p137-138.
  8. 田代 秀夫, 寺脇 博之. 血液透析オンリー病院においてバスキュラーアクセス医がシャント手術を回避、腹膜透析を導入した超高齢腎不全患者の一例. 腎と透析 2020; 89巻別冊 腹膜透析2020: p176-177.
  9. 藤原 正子, 安藤 一郎, 石田 亜希, 大槻 剛, 阿部 未奈, 宍戸 洋, 寺脇 博之. HDFセッション中の血中各種アミノ酸動態. 腎と透析 2020; 89巻別冊 HDF療法'20: p167-168.
  10. 藤原 正子, 安藤 一郎, 宍戸 洋, 寺脇 博之. 透析患者の栄養管理と糖尿病対策 透析起因性の蛋白異化亢進とその栄養治療. 腎と透析 2020; 89巻別冊 HDF療法'20: p10-13.
  11. 安藤 一郎, 藤原 正子, 寺脇 博之, 阿部 未奈, 大槻 剛, 石田 亜希, 宍戸 洋. HDFセッション中の血中インスリン動態. 腎と透析 2020; 89巻別冊 HDF療法'20: p172-174.
  12. 今澤 俊之, 淺沼 克彦, 寺脇 博之, 日比野 久美子, 入江 康文, 千葉県慢性腎臓病重症化予防対策部会. 千葉県における慢性腎臓病(CKD)重症化予防対策 CKD対策協力医制度の開始について. 千葉県医師会雑誌 2020; 72巻11号: p430-436.
  13. 寺脇博之. 慢性腎臓病における酸化ストレス進展機序 慢性腎臓病におけるキサンチンオキシダーゼの活性化. 臨床透析 2020; 36巻12号: p1546-1552.
  14. 藤原 正子, 安藤 一郎, 寺脇 博之, 阿部 未奈, 大槻 剛, 石田 亜希, 宍戸 洋. 透析サルコペアを克服するためのアミノ酸治療. 宮城県腎不全研究会会誌 2020; 48巻: p47-48.
  15. 安藤 一郎, 藤原 正子, 寺脇 博之, 阿部 未奈, 大槻 剛, 石田 亜希, 宍戸 洋. 透析中摂食時の血中代謝物動態. 宮城県腎不全研究会会誌 2020; 48巻: p49-50.
  16. 寺脇博之. 人工透析療法の現状 腎代替療法の適応と選択. 診断と治療 2020; 108巻11号: p1408-1411.

学会・研究会発表

<2020年度>

  1. 寺脇博之.腎臓内科の視点から 症候群としてのDKD、治療ターゲットとしてのDN(特別講演).第 20 回日本内分泌学会関東甲信越支部学術集会 東京 9月
  2. 寺脇博之.電解水透析の臨床効果に関する理論的背景(特別講演).第30回日本臨床工学会 名古屋 9月
  3. 中川 慶郎, 根本 佳和, 上田 瞳, 成山 倫之, 松本 啓成, 飯島 隆太郎, 和氣 快斗, 本城 保菜美, 伊藤 靖子, 寺脇 博之.ステロイドの投与を行うことなく自然軽快した微小変化型ネフローゼ症候群の1例.第50回日本腎臓学会東部学術大会 東京 10月
  4. 小林 政司, 天野 方一, 寺脇 博之, 川口 良人.CKD患者における血漿presepsin(soluble CD14 subtype)の評価法の検討.第63回日本腎臓学会学術総会 横浜 6月
  5. 藤原 正子, 安藤 一郎, 宍戸 洋, 寺脇 博之.透析中の分岐鎖アミノ酸値上昇はサルコペニアに直結する.第63回日本腎臓学会学術総会 横浜 6月
  6. 安藤 一郎, 藤原 正子, 宍戸 洋, 寺脇 博之.透析中のコルチゾール値と透析飢餓との関連.第63回日本腎臓学会学術総会 横浜 6月
  7. 寺脇博之.高尿酸血症 病態生理と治療に関する新たな展開(教育講演).第30回臨床内分泌代謝Update 東京 11月
  8. 寺脇博之.腹膜透析療法ガイドラインと実際・今後の展望 カテーテル・出口部管理(教育講演).第65回日本透析医学会学術集会.大阪 11月
  9. 寺脇博之.人生100年時代におけるPDの利点を再考する オーバービュー わが国のPD医療の変遷(シンポジウム).第65回日本透析医学会学術集会.大阪 11月
  10. 中山 昌明, 坂下 惠一郎, 鈴木 穂孝, 植村 進, 尾形 佳昭, 中澤 了一, 寺脇 博之, 宮崎 真理子, 前田 憲志, 伊丹 儀友.電解水血液透析(EHD)の現状報告.第65回日本透析医学会学術集会.大阪 11月
  11. 藤原 正子, 安藤 一郎, 宍戸 洋, 寺脇 博之.透析中の血中および廃液中アミノ酸測定法(その1) 採液取り扱いと保存.第65回日本透析医学会学術集会.大阪 11月
  12. 藤原 正子, 安藤 一郎, 宍戸 洋, 寺脇 博之.透析中の血中および廃液中アミノ酸測定法(その1) 廃棄漏出量の算出方法.第65回日本透析医学会学術集会.大阪 11月
  13. 上田 瞳, 飯島 隆太郎, 和氣 快斗, 寺脇 博之.ステロイド使用中に下肢蜂窩織炎を契機に診断された播種性クリプトコッカス症の1例.第662回 日本内科学会関東地方会 東京 9月
  14. 伊藤靖子、上田瞳、飯島隆太郎、和氣快斗、松下純子、和田佐和、伊藤正輝、桜井宏大、飯塚雄次、寺脇博之.腹膜透析関連腹膜炎に対する多職種による取り組みとその実績.第26回日本腹膜透析医学会学術集会 東京 9月
  15. 寺脇博之.腹膜透析液総論:歴史・現況・課題(教育講演).第26回日本腹膜透析医学会学術集会 東京 9月
  16. 寺脇博之.これからの透析~在宅を中心とした「その人らしさ」の尊重~(特別講演).第26回日本腹膜透析医学会学術集会 東京 9月
  17. 寺脇博之.CKD診療におけるSDMの実践(教育講演).第24回日本透析アクセス医学会学術集会 大阪 11月
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