救急科
救急科は、ER、救急集中治療センター(ICC)、救命救急センターの3部門が協力して院内外の救急症例に対応しています。年間3,000台以上の救急車を受け入れ、ICU入室は年間約500名、血液浄化法は年間約150件施行しています。
●ER
指導医の監督の下、研修医と共に、徒歩来院の軽症症例から救急車による重症症例まで広く救急患者を診察しています(ER型救急医療)。初期研修医に対しては、オリエンテーションでACLS・ATLS・PALSの総論を解説し、救急外来でよく遭遇する疾患や外傷について年間50回の講義を行っています。手技については、NEJMのビデオを使って解りやすく指導しています。
 センター長 教授 山下 雅知 |
出身大学 | 東京大学 昭和57年卒 医学博士 |
専門分野 | ER型救急医療 外傷学・臨床中毒学 |
専門医等 | 救急医学会専門医・指導医 |
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 助教 野村 誠 |
出身大学 | 帝京大学 平成18年卒 医学博士 |
専門分野 | ER型救急医療 神経救急 |
専門医等 | 内科認定医 神経内科専門医 |
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 助手 藤倉 幹生 |
出身大学 | 帝京大学 平成24年卒 |
専門分野 | ER型救急医療 神経救急 |
~2017年度~
診療実績
救急総患者数:6,833件
救急入院数 :2,262件
救急車受入数:3,252件
救急車入院数:1,580件
紹介患者数 : 686件
紹介入院数 : 506件
小児科患者数: 912件
教育について
・指導医の監督の下、研修医と共に、徒歩来院の軽症症例から救急車による重症症例まで広く救急患者を診察(ER型救急医療)
・初期研修医に対しては、オリエンテーションでACLS・ATLS・PALSの総論を解説し、救急外来でよく遭遇する疾患や外傷について年間50回の講義を実施
・手技は、NEJMのビデオを使って解りやすく指導
研究について
学会
古村健多、野村誠、石井隆治、佐藤成志、川越一男、山下雅知
首都圏中都市における救急医療の推移と課題
第回20日本臨床救急医学会総会,2017
間宮悠、田村重征、野村誠、山下雅知
パネルディスカッション4:急性中毒入院症例の検討
第39回日本中毒学会総会,2017
山下雅知
Rapid Response System:座長
第45回日本救急医学会総会,2017
秋場健史、藤倉幹生、野村誠、小林由、志賀英敏、森脇龍太郎、山下雅知
学生・研修医パネルディスカッション:市原市における救急医療の推移
第45回日本救急医学総会,2017
原著・著書
原著
山下雅知,野村誠,藤倉幹生,川越一男
市原市における救急車の病院収容時間の検討
千葉県医師会雑誌 2017:68:35-38
著書
山下雅知
虫刺症
山口徹編集「今日の治療指針」 東京:医学書院,2017:150-1
山下雅知
歩行障害・運動失調
北村惣一郎監修「私の治療」 東京:日本医事新報,2017:25-7
山下雅知
吐血・下血
日本救急医学会「救急診療指針第5版」 へるす出版,2017:315-17
●救急集中治療センター(ICC)
集中治療室(ICU)は、内科や外科という科の壁を超えて、あらゆるタイプの重症患者の治療を担当する部門です。新館3階病棟でICU8床を管理し、臨床各科と協力しながら集中治療を行っています。 そのもっとも大きな特徴は、人間の生理機能を補完するためにさまざまな機械類を駆使することで、人工呼吸器・血液透析器・各種循環補助機材・輸液ポンプなどを使用します。
教授 志賀 英敏 |
出身大学 | 千葉大学 昭和62年卒 医学博士 |
専門分野 | 集中治療 血液浄化 |
専門医等 | 集中治療専門医 救急医学会指導医 日本アフェレシス学会認定血漿交換療法専門医 日本外科代謝栄養学会教育指導医 日本腹部救急医学会腹部救急認定医 日本静脈経腸栄養学会認定医・指導医 |
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助教 小林 由 |
出身大学 | 順天堂大学 平成13年卒 |
専門分野 | 集中治療 |
専門医等 | 麻酔科専門医 |
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客員教授 福家 伸夫 |
出身大学 | 東京大学 昭和52年卒 医学博士 |
専門分野 | 救急・集中治療医学 |
専門医等 | 集中治療専門医 救急医学会専門医 |
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非常勤医師 横井 健人 |
出身大学 | 千葉大学 平成12年卒 医学博士 |
専門分野 | 救急・集中治療医学 |
専門医等 | 集中治療専門医 救急医学会専門医 |
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非常勤医師 石井 健 |
出身大学 | 島根医科大学 昭和60年卒 |
専門分野 | 救急・集中治療医学 |
専門医等 | 救急医学会専門医 |
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非常勤医師 長谷 洋和 |
出身大学 | 昭和大学 平成14年卒 |
専門分野 | 集中治療医学 |
専門医等 | 麻酔科専門医 |
~2017年度~
診療実績
全入室患者:1,717名(うちICU入室患者:499名)
ICC診療科別診療入室患者数
第三内科:752名
外科:105名
脳神経外科:296名
救急科:226名
脳神経内科:123名
整形外科:49名
産婦人科:29名
泌尿器科:25名
歯科口腔外科:2名
小児科:1名
耳鼻科:7名
眼科:1名
形成外科:6名
心臓血管外科:95名
血液浄化法等
HD:55件
CHDF:12件5
機械的循環補助
IABP:21件
PCPS:6件
教育について
医学部実習:全員
医学部講義:志賀
大学院:なし
その他:帝京平成大学
研究について
学会発表:5回(一般演題)
シンポジスト・パネリスト・招請講演など:3回
●救命救急センター
救命救急センターは、主として集中治療室管理が必要な重症患者を診療しますが、多岐にわたる診療科の協力が不可欠です。救命救急センターおよび救急集中治療センターの医師を核として、院内の診療科の全面的な協力のもと、その運営を開始いたしました。
長きにわたって市原市唯一の救急基幹病院として地域のニーズに応えてまいりましたが、その実績を評価いただき、このたび救命救急センター12床の認可が下りました。
わが国の救急医療体制は、重症度に応じて一次から三次までに分類されております。簡単に申しますと、一次救急は外来で対処しうる帰宅可能な軽症患者、二次救急は一般病棟への入院が必要な中等症患者、三次救急は集中治療室などへの入院が必要な重症患者と考えればよろしいかと思います。
今回認可が下りた救命救急センターは、その三次救急医療を主として担いますが、複雑な病態も多く、多岐にわたる診療科の協力が不可欠な部門です。認可に合わせて新たに赴任した2名の救命救急センター専属医師および救急集中治療センターの2名の医師を核として、院内の診療科の全面的な協力体制を得て、その運営を開始しております。
具体的な診療患者は、救命救急センターの専用電話(ホットライン)を通して救急隊から診療要請される傷病者が大多数を占めるのですが、下記に示すような傷病者を対象とし、近隣の消防組織に通知しております。救急車搬送だけではなく、件数は少ないものの敷地内に設置されたヘリポートを利用してヘリコプター搬送も可能です。ただし、できるだけ多くの診療要請を応需するつもりなのですが、すべての傷病者をスンナリと応需できるほどの実力は、今のところ当センターには備わっておりません。それゆえ応需できないこともありますし初療後転送せざるをえないこともあります。
もちろん、一般病院や診療所からの診療依頼も救命救急センターの対象病態であれば、ご連絡くださればできるだけ応需させていただきます。
当救命救急センター(三次救急)の診療対象となる傷病者
- バイタルサインに異常をきたしたもの(気道・呼吸・循環の危機的状態、心肺停止)
- 意識障害(JCS≧100またはGCS≦8 基礎疾患や原因を問わない)
- 急性心血管疾患(重症心不全、急性冠症候群、大動脈解離、大動脈瘤破裂、重症不整脈、急性肺血栓塞栓症など)の可能性が高いのもの
- 急性脳血管障害(手術、tPA・血管内治療などを要する)の可能性が高いもの
- 急性呼吸不全あるいは慢性呼吸不全の急性増悪で、機械的補助(NPPV、IPPV、V-V ECMOなど)が必要か、あるいはその可能性が高いもの
- 重篤な消化器・腎疾患または代謝疾患(急性肝不全、急性腎不全、急性膵炎、消化管出血、高血糖・低血糖に関連した救急疾患など)で、緊急血液浄化療法や呼吸・循環の補助を必要とする可能性が高いもの
- 急性腹症で手術を要する可能性が高いもの
- 急性薬・毒物中毒が疑われるもの
- 高リスク受傷機転(高エネルギー)外傷、意識障害(JCS≧100またはGCS≦8)やABC(気道・呼吸・循環)に異常をきたした外傷、または多発外傷
[原則として頭部、胸部、腹部、四肢などの身体区分の複数部位に重篤な損傷を有する(たとえばISS≧18)、あるいはその可能性があるもの]
- 重症熱傷
[原則としてArtzの重症熱傷(II度≧30% or III度≧10% or 顔面・気道熱傷 or 軟部組織損傷・骨折を伴うなど)の基準に準じる]
救命救急センター12床および従来からのICU8床の一部を、救命救急センターおよび救急集中治療センターの専属医師4名で運営しておりますが、上記傷病者の入院後も多発外傷、敗血症、中毒、蘇生後脳症などの傷病者は主治医として入院後も積極的に関わっており、また、各診療科が主治医になった場合も継続的に密に診療をサポートしています。図の赤字の部分に救命救急センターと救急集中治療センターの専属医師が関わっております。
また、市原地域メディカルコントロール協議会の依頼を受けて、上述したホットラインを利用しての24時間体制での救急隊からの指示要請の応答、定期的な救急救命士の病院研修の受け入れなども行っており、今後、救命救急センターと救急集中治療センターのスタッフが充実し、運営が軌道に乗った暁には、市原市消防局の出張所を院内に設けて[いわゆる常設型救急ワークステーション(WS)といいます]、救急救命士とのコラボレーションによるドクターカーの運営も視野に置いております(図の青字の部分)。

さらに当院は災害拠点病院、DMAT派遣病院でもあり、今後も救命救急センターを中心として積極的に災害医療に関与していきます。また、NDLS(national disaster life support)、ICLS(immediate cardiac life support)、JMECC(Japan medical emergency care course)、JPTEC(Japan prehospital trauma evaluation & care)、JATEC(Japan advanced trauma evaluation & care)などのoff-the-job training にも力を注いでいく予定としております。
以上のように、当救命救急センターは黎明期から草創期を迎えたばかりです。一歩一歩着実にステップアップしていき、堂々とした救命救急センターへと育んでいく所存です。しかしながら今後の発展はわれわれと一緒になって働いてくれる仲間の存在が不可欠です。ぜひお力をお貸しください。救急および集中治療専門医取得希望の方に対しては、私どもの持っている知恵を総動員して十分なバックアップをいたします。ご興味がおありの方は、センター長の森脇または総務課(代表TEL:0436-62-1211、E-mail:chiba@med.teikyo-u.ac.jp)までご連絡ください。
 教授 森脇 龍太郎 |
出身大学 | 東京医科歯科大学 昭和59年卒 医学博士 |
専門分野 | 救急医学(特に循環器疾患、脳血管障害、急性中毒、プライマリ・ケアなど) 集中治療医学(特に蘇生学、補助循環、血液浄化療法、敗血症、ARDSなど) 災害医学 医療安全 |
専門医等 | 日本救急医学会指導医・救急科専門医・評議員・関東地方会幹事 日本集中治療医学会集中治療専門医・評議員 日本集中治療医学会関東甲信越地方会評議員 日本臨床救急医学会評議員 日本中毒学会クリニカルトキシコロジスト・評議員・編集委員会委員 日本内科学会総合内科専門医・認定内科医・指導医 日本循環器学会循環器専門医 日本プライマリ・ケア連合学会プライマリ・ケア認定医・指導医 日本医師会認定産業医 厚生労働省認定臨床研修指導医・プログラム責任者 JPTEC・ICLS/ICLS-WS・JMECCディレクター NDLSインストラクター CLDMAT隊員 市原地域災害医療コーディネーター 市原地域救急業務メディカルコントロール協議会会長 |
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講師 角山 泰一朗 |
出身大学 | 山梨医大 平成11年卒 医学博士 |
専門分野 | 救急医学・外傷外科学 |
専門医等 | 救急医学会専門医 |
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助教 北村 真樹 |
出身大学 | 帝京大学 平成13年卒 医学博士 |
専門分野 | 救急医学・外傷外科学 |
専門医等 | 救急医学会専門医・外科専門医 |
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客員教授 田中 博之 |
出身大学 | 北里大学 昭和53年卒 医学博士 |
専門医等 | 日本救急医学会指導医・救急科専門医
日本集中治療医学会集中治療専門医・評議員
日本臨床救急医学会評議員
日本蘇生学会指導医
JATECインストラクター
ICD |
~2017年度~
診療実績
入室患者数
LEC:1,438名
ICU: 519名
教育について
森脇龍太郎:1st Teikyo-Chiba ICLS ワークショップ,市原,7月16日
森脇龍太郎:15th 市原JPTECプロバイダー資格更新コース,市原(市原市消防局),7月22日
森脇龍太郎:6th Teikyo-Chiba ICLS プロバイダーコース,市原,10月22日
森脇龍太郎:13th 市原JPTECプロバイダーコース,市原(市原市消防局),11月5日
森脇龍太郎:2nd Teikyo-Chiba ICLS ワークショップ,市原,11月12日
森脇龍太郎:16th 市原JPTECプロバイダー資格更新コース,市原(市原市消防局),1月28日