診療科・担当医紹介
形成外科
 形成外科は、生まれつきの身体表面の変形、色の変化、外傷や手術(腫瘍切除など)後の組織欠損や変形などを、正常な状態にできるだけ近づくように治療する診療科です。このため、体表の皮膚や軟部組織を対象としています。また、顔面に関しては形態も重要であり、骨の病気や外傷(骨折)も形成外科で治療しています。形成外科は名前のとおり外科系の一つの科であり、手術が主な治療手段になります。このため手術による創をふくめた傷(きず)をできるだけきれいに治すことを考えて治療を行っています。平成19年4月より、皮膚疾患に対するレーザー治療を開始しました。
  • 形成外科が扱う主な疾患
    1.外傷及び熱傷
  • 顔面骨骨折
  • 前頭骨骨折、鼻骨骨折、鼻篩骨骨折、眼窩(床)骨折、頬骨骨折、上顎骨・下顎骨骨折、頭蓋・顔面骨欠損
  • 顔面軟部組織損傷(顔面神経損傷、涙道損傷など)、外傷性色素沈着症
    熱傷
    四肢の皮膚・軟部組織損傷(外傷)及びその後の変形
  • 2.先天異常
  • 唇裂・口蓋裂(口唇裂、口蓋裂、顎裂、鼻咽腔閉鎖機能不全)
    手指、足趾の先天異常(合指症、多指症、その他)
    その他の先天異常
  • 顔面:頭蓋骨縫合早期癒合症、眼瞼下垂症、小耳症、副耳、耳垂裂、耳(前)瘻孔、埋没耳、第1・第2鰓弓症候群
    頚部:正中頚嚢胞、側頸嚢胞
    胸部:漏斗胸、鳩胸、ボーランド症候群、副乳、陥没乳頭
    腹部、会陰部:臍突出症・臍ヘルニア、尿道下裂など
  • 3.良性腫瘍及び色素異常症
  • 表皮嚢腫、脂肪腫、血管腫、リンパ管腫、その他の皮膚・皮下良性腫瘍、外骨腫、母斑(黒子)、老人性色素斑、雀卵斑など
  • 4.悪性腫瘍及びそれに関連する再建
  • 皮膚悪性腫瘍手術及び再建
    頭頚部腫瘍再建
    乳房再建
    会陰部再建など
  • 5.瘢痕
  • 肥厚性瘢痕、ケロイド、瘢痕拘縮、外傷性色素沈着症
  • 6.潰瘍
  • 下腿潰瘍、褥瘡(手術を対象とした治療)など
  • 7.その他
  • 顔面:眼瞼下垂症、眼瞼内反症、顔面神経麻痺、顔面片側萎縮症、禿髪
    四肢:腋臭症、陥入爪、リンパ浮腫、腹部、殿部:毛巣洞、膿皮症、腹壁瘢痕ヘルニアなど

医療機器(外来)
 平成19年4月より皮膚科とともに Qスイッチ付きルビーレーザー 記1及び 炭酸ガスレーザー 記2による治療を開始しました。なお、レーザー治療の場合、健康保険の適応となる疾患は限定されます。また、高周波ラジオ波メスを用いた治療も開始いたします。

治療費について
 形成外科で扱う病気や外傷、変形などの大部分は健康保険にて治療できます。良性皮膚腫瘍、瘢痕拘縮変形、唇裂、小耳症、四肢奇形など身体外表部の後天性及び先天性変形では、(いわゆる美容のためのものは健康保険が適応されませんが)社会通念上医師として治療の必要があると認められるものには健康保険が適応されます。さらに、公的に治療費を減免できる乳児医療や 自立支援医療(育成医療)記3という制度もあります。
 老人斑などのレーザー治療、ピアス、重瞼術、(外傷を除く)刺青などの治療は自費診療となります。また、乳癌手術後の自家組織(筋皮弁など)を用いる乳房再建術は健康保険の適応ですが、プロテーゼを用いる乳房再建術は自費診療となります。

手術
 毎週火曜日に全身麻酔による手術、月曜日午後、木曜日午後に局所麻酔による手術を行っております。


記1.Qスイッチ付ルビーレーザーによる治療
 レーザー照射療法は色素斑や一部のアザに対して、レーザーが特定の色のみに反応するという性質を用いて、含まれる色素だけに反応を起こすように治療を行うため、皮膚そのものに対しては傷害がほとんどありません。但し、体質や照射前の色素沈着の状態によっても、また疾患の深さや濃さによっても照射後の反応が異なります。このため、数回以上繰り返し照射を行わなければ改善しない疾患やレーザー治療に適さない疾患(肝斑など)もあります。また、東洋人では炎症性色素沈着と呼ばれる二次性の色素沈着が生じることが多く、照射前後に日焼けの予防や軟膏治療が必要となります。このため、治療に際しては、あらかじめ形成外科、皮膚科一般外来を受診していただき、その後レーザー外来を予約していただきレーザー治療を行うようになります。
 老人性色素斑(日光性色素斑)、雀卵斑(そばかす)、装飾性刺青等に対しては、健康保険の適応外のため、自費診療となります。太田母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症、扁平母斑に対しては、保険診療が可能です。なお、当院では赤アザ(血管腫)のレーザー治療は、行っておりません。

記2.炭酸ガスレーザーによる治療
 主に黒子(色素性母斑)、脂漏性角化症などの治療を行います。この治療後には色素沈着を起こしやすい状態になってお り、遮光を行うことが必要です。時に再発することがあります。

記3.形成外科における自立支援医療(育成医療)
 生まれつき変形や機能障害のある児童や将来的に障害を残す可能性のある児童(18才未満)に対し、その障害を除去または軽減し、日常生活能力をより可能にするための公費負担医療制度です。指定施設で治療を受ける場合、治療費を都道府県が一部負担してくれる医療制度があります。医療機関で支払う自己負担は原則として医療費の1割ですが、所得水準により自己負担金の上限額(月額)が設定されています。この制度の対象となるのは健康保険適用分のみで、健康保険適用外分(例:オムツ代等)は対象になりません。食事療養費も対象になりません。申請が遅れますと制度が使えなくなるおそれがありますので、早めに(手術日が決まった後)申請していただくようになります。対象疾患(形成外科における)手術を前提とした入院である必要があります。

 肢体不自由:合指(趾)症、多指(趾)症、瘢痕拘縮、その他肢体不自由疾患
 視覚障害:眼瞼下垂
 聴覚平衡機能障害:外耳道狭窄、外耳奇形
 音声言語咀嚼機能障害:口唇裂、口蓋裂、顎裂、顎低形成、その他
 その他の内臓疾患:尿道下裂、漏斗胸など


担当医
福積 聡
教授 福積 聡
出身大学慶應義塾大学 昭和58年卒 医学博士
専門分野形成外科一般(特に組織移植による再建)
皮弁の血行
四肢の皮膚皮下組織の血管解剖
専門医等日本形成外科学会専門医

~2015年度~
診療実績

入院手術:164件
 全身麻酔:86件
 腰椎麻酔・伝達麻酔:1件
 局所麻酔・その他:77件
外来手術:128件
合計:292件

教育について
大学院共通科目授業
 形成・口腔外科学特論
難治性潰瘍 皮弁
皮膚科BSL(医学部5年生)
 外科的治療(皮膚腫瘍、熱傷、皮膚潰瘍など)

研究について
  • 学会発表
  • 鳥海正博、福積聡:当院におけるVERSAJET2 Systemの使用経験
    第58回日本形成外科学会学術集会 平成27年4月9日 京都
  • 崎尾怜子、福積聡:臍下部の腹壁腫瘍切除後のComponent Separation法を用いた腹壁再建の一例
    第31回慶應義塾大学形成外科同門会 平成27年7月11日 東京
  • 鳥海正博、福積聡、張学、今西宣晶:頭蓋形成後のチタンメッシュプレート露出に対しperifascial areolar flap移植を行った2例
    第7回日本創傷外科学会 平成27年7月24日 東京
  • 崎尾怜子、福積聡:大転子部褥瘡に対するinfratrochanteric f-c flapによる再建
    第21回千葉県形成外科研究会 平成27年11月28日 千葉
  • 福積聡、鳥海正博、崎尾怜子、今西宣晶:頭蓋形成術後における創閉鎖
    第33回日本頭蓋顎顔面外科学会 平成27年11月13日 宝塚
  • 崎尾怜子、福積聡:左大伏在静脈に生じたVenous Aneurysmの一例
    第32回慶應義塾大学形成外科同門会 平成28年1月23日 東京
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